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🧮 日経平均株価の算出式

🔍 各項目の意味
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 株価_i | 対象となる 225 銘柄(構成銘柄)の株価(終値) |
| 換算係数_i(みなし額面調整係数) | 株式分割や併合などの影響を調整するための係数。1株あたりの価格を基準化する目的で、日本経済新聞社が設定。 |
| 除数(Divisor) | 指数の連続性を保つための調整係数。構成銘柄の入れ替えや株式分割があっても指数が不連続にならないようにする。現在は 約27程度(2025年時点)。 |
💡 計算の考え方(イメージ)
- 225銘柄の株価を「みなし額面」などで調整して合計。
- 除数(調整値)で割って平均化。
- 銘柄入れ替えや分割時には「除数」を変更して指数の連続性を維持。
📘 例(簡略)
| 銘柄 | 株価 | 換算係数 | 調整後株価 |
|---|---|---|---|
| A社 | 10,000円 | 1.0 | 10,000 |
| B社 | 5,000円 | 0.5 | 2,500 |
| C社 | 2,000円 | 2.0 | 4,000 |
合計:16,500円
除数:0.3 の場合
日経平均 = 16,500 ÷ 0.3 = 55,000
🧮 1. 「換算係数」は“株価の重みを均等化”するためのもの
日経平均は 単純平均型指数(=株価の単純平均に近い形)です。
したがって、株価が高い企業がそのまま指数に大きな影響を与えてしまうという問題があります。
そこで、
銘柄ごとに「換算係数(adjustment factor)」を掛けて、株価を仮想的に調整する
ことで、株式分割・併合・採用時の株価水準などをならしています。
🏗️ 2. 換算係数が高くなる主な理由
| 原因 | 説明 |
|---|---|
| ① 採用時の株価が低かった銘柄 | 採用されたとき株価が安いと、そのままだと指数への寄与が小さすぎる。→ 換算係数を「大きく」して調整。 |
| ② 株式分割を繰り返した銘柄 | 分割で株価が下がるため、同様に指数への影響を維持するために係数が上がる。 |
| ③ 株式併合をした銘柄 | 逆に株価が上がるため、係数は小さくされる。 |
| ④ 額面制度廃止(2000年代前半以前)時代の“みなし額面”補正 | 旧来の額面制度時代に設定された「みなし額面50円基準」に基づいて調整された名残も。 |
🕒 3. 採用タイミングの影響
はい、採用されたタイミングも強く関係します。
- 採用時点の株価を「みなし額面」ベースに換算して補正するので、
採用が古い銘柄(例:トヨタ、ソニーなど)と、最近採用された銘柄(例:キーエンス、リクルートなど)では、換算係数がまったく異なります。 - 採用当時に株価が安かった企業ほど、係数が高くなる傾向があります。
🧩 4. イメージ例
| 銘柄 | 採用時株価 | 換算係数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| A社 | 1,000円 | 5.0 | 株価が低いので調整で引き上げ |
| B社 | 50,000円 | 0.1 | 株価が高いので調整で引き下げ |
結果的に、A社とB社が指数に与える影響はほぼ同等になるよう調整されます。
📘 まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 換算係数が高いほど | 採用時に株価が低い or 株式分割を重ねた |
| 採用時期 | 古いほど係数の変動が蓄積しやすい |
| 高株価銘柄 | 係数が低く設定されやすい(例:キーエンス、ファーストリテイリング) |
🏢 参考情報
公式の詳細解説:

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