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ご質問の「ADKからOpenAPIで定義されたAPIを直接実行する」方法と、「MCPサーバーを設けてADKからMCPサーバー経由でOpenAPI APIを実行する」方法、それぞれの特徴と選択のポイントを整理します。
1. ADKからOpenAPI APIを直接実行
- シンプルな構成で、APIのエンドポイントに直接アクセスし、OpenAPIドキュメントで定義されたパラメータをそのまま利用できます^2。
- 実装コストが低く、パフォーマンスも高い(中間サーバーのオーバーヘッドがない)ため、連携先が少ない場合やリアルタイム性が求められる場合に有利です^3。
- 認証やパラメータの制御も自分で柔軟にカスタマイズできます^2。
- ただし、複数のAIエージェントやツールと連携する場合は、個別にAPI統合を実装する必要があり、拡張性や保守性の面で課題が出ることがあります^3。
2. MCPサーバーを設けて経由実行
- MCPサーバーはAIエージェントと外部APIの間に「中継サーバー」として入り、APIの統一的な窓口を提供します^4, ^5, ^6。
- セキュリティ(APIキーの秘匿化やCORS対策)、複数AI・ツール間の一元管理、将来的な拡張性(他のAIやAPI追加時の柔軟性)などのメリットがあります^4, ^5。
- OpenAPI仕様があればMCPサーバーを自動生成できるツール(Orvalなど)もあり、導入障壁は下がっています^4, ^7。
- ただし、MCPサーバーが「単一障害点」や「追加の遅延」「運用・保守の難しさ」「未成熟なエコシステム」などのリスクも指摘されています^3。
- シンプルな用途やパフォーマンス重視の場合は、むしろデメリットが勝ることもあります^3, ^6。
比較表
項目 | 直接API実行 | MCPサーバー経由実行 |
---|---|---|
実装・構成のシンプルさ | ◎(簡単) | △(サーバー構築・運用が必要) |
パフォーマンス | ◎(高速、オーバーヘッドなし) | △(中継による遅延あり) |
セキュリティ | △(APIキー管理は自前で対応) | ◎(APIキー秘匿、CORS対策が容易) |
拡張性・保守性 | △(連携先増加で煩雑化) | ◎(複数AI/ツールの一元管理が容易) |
カスタマイズ性 | ◎(自由度高い) | △(標準化の範囲内での制御) |
導入・運用コスト | ◎(低い) | △(サーバー追加の分だけ増加) |
どちらが「よい」かの判断基準
- API連携が1つまたは少数で、パフォーマンスやシンプルさを重視する場合は「直接API実行」が最適です^3, ^6。
- 複数のAIエージェントやツールと連携したい、セキュリティや拡張性、将来的な運用を重視する場合は「MCPサーバー経由」が有利です^4, ^5, ^7。
- セキュリティ要件が高い場合や、APIキーを外部に出したくない場合もMCP経由が推奨されます^5。
補足
- MCPサーバーはPython(FastAPIなど)で簡単に構築でき、OpenAPI仕様から自動生成も可能です^4, ^7。
- ただし、MCPサーバーの品質や保守性には注意が必要で、導入前に自社のユースケースと照らし合わせて検討してください^3, ^4。
まとめ
「シンプルな構成・高速性・少数API連携」なら直接API実行、「セキュリティ・拡張性・複数AI/ツール連携」ならMCPサーバー経由が適しています。用途や今後の拡張計画に応じて選択すると良いでしょう^3, ^4, ^6, ^7。
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