SSE、Streamable HTTPについて

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SSE(Server-Sent Events)とは

SSE(Server-Sent Events)は、サーバーからクライアント(主にWebブラウザ)へ一方向にデータをリアルタイムでストリーミング配信するための技術です。HTTPプロトコル上で動作し、実装がシンプルで既存のインフラと高い互換性を持ちます^2 ^13

主な特徴

  • サーバーからクライアントへの一方向通信(Push型)
  • クライアントはHTTPリクエストで接続し、サーバーはtext/event-streamのMIMEタイプでデータを送信
  • チャット、通知、ライブデータフィードなどリアルタイム性が求められる用途に最適
  • クライアント側は再接続処理が自動で行われる
  • WebSocketと異なり、双方向通信やバイナリデータ送信はできない^2 ^15

利用例

  • ChatGPTのストリーミング応答
  • ニュース速報や株価のライブ更新
  • IoTデバイスの状態通知

Streamable HTTPとは

Streamable HTTPは、従来のHTTP+SSE方式の課題を解決するために登場した新しい通信方式で、MCP(Model Context Protocol)などAI系プロトコルでも標準採用が進んでいます^4 ^12

主な特徴

  • 単一のHTTPエンドポイントで、通常のリクエスト/レスポンスもストリーミング通信も両方扱える
  • 必要なときだけSSE(ストリーミング)に動的にアップグレード可能
  • セッションIDによる論理的な状態管理が可能で、ネットワーク切断時も対話の復元が容易
  • ステートレスなサーバー実装や、水平スケーリングに強い設計
  • クライアント・サーバー間の通信がシンプルになり、既存のHTTPインフラ(CDNやAPI Gateway等)との親和性が高い^4 ^7 ^16

技術的な違いとメリット

項目 SSE(従来) Streamable HTTP(新方式)
通信方向 サーバー→クライアントのみ 双方向(HTTP POST/GET)
エンドポイント 複数必要(/sse, /message等) 単一のエンドポイントで完結
セッション管理 物理的な接続維持 セッションIDによる論理管理
スケーラビリティ 接続数増で負荷増大 水平スケーリングしやすい
インフラ互換性 制限あり(SSE長期接続問題) HTTP互換で既存インフラ利用可
再接続・復元 弱い セッションIDで復元が容易

利用例

  • AIチャットやツール連携のストリーミング応答
  • 安定したリアルタイム通信が求められる大規模システム

まとめ

  • SSEはサーバー→クライアントの一方向リアルタイム通信をHTTP上で簡単に実現できる技術^2^13
  • Streamable HTTPは、SSEの課題(スケーラビリティ、インフラ互換性、双方向性)を解決し、AIや大規模Webサービス向けに進化した新しいHTTPベースのストリーミング通信方式^4 ^10

どちらもリアルタイム性が求められる用途で使われますが、今後はStreamable HTTPが主流になっていくと考えられます。

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